まばゆいほどの輝きにオジサンの目は眩みっぱなし 「君の名前で僕を呼んで」

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Introduction

17歳と24歳の青年の涯忘れられない恋の痛みと喜びを描くまばゆい傑作

17歳と24歳の青年の、初めての、そして生涯忘れられない恋の痛みと喜びを描いた本作。第90回アカデミー賞では作品賞、主演男優賞、脚色賞、歌曲賞の4部門にノミネートされ、見事にジェームズ・アイヴォリーが脚色賞を受賞。1983年夏、北イタリアの避暑地。17歳のエリオは、アメリカからやって来た24歳の大学院生オリヴァーと出会う。やがて激しく恋に落ちるふたり。しかし夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づいて……。 君の名前で僕を呼んで公式サイト 


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たまに映画見るオヤジの戯言

おそらく「男性同士の恋」という時点で、ある程度観る層が分かれてしまうと思われますが、本作は僕のような40代オジサンにこそお勧めしたい一作です。

主人公17歳のエリオは線も細く儚げで、でも生命力に溢れていて、成長の喜びに満ちていたあの頃を感じさせてくれる美少年。
あの時期特有の瑞々しい感性、破裂寸前なほど膨らんだ承認欲求、大人への憧れ、急に成長する体と心のミスマッチ。その歯がゆさからくる抑えきれない衝動は、誰もがきっと身に覚えがあるはず。少年から男性へと成長する過程が魅せる一瞬の輝きがとてつもなく美しく描写されて、オジサンには眩しすぎるほど!
エリオが憧れる相手役のオリヴァーだって、まだ24歳。40代半ばの僕から見れば子どもだけど17歳の少年にとっては十分すぎるほど大人。自分が高校生のころを思い出しても、大卒のお兄さんは雲の上の存在だった。オジサンになった今ならわかるのは、一方のお兄さんも高校生相手じゃ無理してでも余裕見せたりして、でも実際そんな余裕もなく必死だということ。
だから、どちらの気持ちも痛いほど伝わって切ない!そんな2人が織りなす刹那的な恋は、性別とか関係なく、むしろ同性だからこその切なさをもってヒシヒシと胸に迫ってきます。全オジサンが隠し持つであろう純粋で柔らかい部分を締め付けられること間違いなし。
美しい夏の風景と、弾ける若さ。青春のあの頃を思い出したくなったらもう一回見ようと思える作品です。

ひとことまとめ

若さがまぶしい!まぶしすぎる!!
尖ったナイフのようだった青春時代に帰りたいときに観て欲しい。

君の名前で僕を呼んで 2017
CALL ME BY YOUR NAME
イタリア / フランス / ブラジル / アメリカ  Color  132分

STAFF&CAST
監督ルカ・グァダニーノ
脚本ジェームズ・アイヴォリー
出演アーミー・ハマー/ティモシー・シャラメ/マイケル・スタールバーグ/アミラ・カサール/エステール・ガレル/ヴィクトワール・デュボワ



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